貧しい木こりの家の兄妹、チルチルとミチルはクリスマス・イブで賑わう町を羨ましそうに眺めていました。
そこへ老婆が、病気の女の子を助けるために青い鳥を探して欲しいと頼みに来ます。チルチルは不思議な帽子を渡されダイヤルを回すと、部屋にあるものが精霊になって現れました。
パンに角砂糖、時計に火まで。飼っている犬や猫も言葉を話し踊り出しました。チルチルとミチルたちは精霊たちと青い鳥を探す旅に出ることになります。

ダイヤルを回して訪れた最初の場所は「思い出の国」
そこには亡くなったおじいさんとおばあさんがいました。
チルチルとミチルは喜んで駆け寄るとおじいさんが微笑みながら言いました。
「生きている者が思い出してくれれば、いつでも会えるんだよ」と。
家の中に青い鳥がいるのを見つけたミチルはその鳥をもらいました。楽しい時間はあっという間に過ぎ、二人はさよならを言うとおじいさんたちは霧に包まれてき、それと同時にカゴの中の青い鳥も色が変わってしまいました。

次にチルチルとミチルは「夜の精霊」が住む国に来ました。
チルチルが開ける沢山の扉の中には、病気、戦争、恐れ等がありましたが、最後の扉の中には無数の青い鳥がいました。二人は喜んでたくさんの青い鳥を捕まえて外に出ると。鳥たちは突然死んでしまいました。日の光で生きれる本当の青い鳥ではなかったのです。

次に行った「森」では一緒にいた猫が裏切り、大変な目にあったり、
お金、酒、欲望や贅沢に溺れる者がいる国にも行きましたが青い鳥は見つかりません。
天の国では、「青い鳥がいたら幸せになれるのに」と答えたチルチルに、もっとたくさんの幸せがそばあることを教えられます。
それは、例えば母親の愛。
最後に訪れた「未来の国」は生まれる前の子どもたちがいました。子どもたちは一人ひとり大切なテーマを抱えています。
世の中を幸せにしたり、驚かせることをテーマにする子、
大きな罪や病気をもって生まれることをテーマにする子。
人間は何かひとつ自分の運命を持って生まれなければならないのです。
準備のできた子どもたちは船へ乗りお母さんのもとへ出発していきました。


気がつくとチルチルとミチルは自分たちの部屋にいました。
精霊たちはいつもの「物」に戻っていて、犬や猫ともお話ができません。
二人は老婆との約束を果たせずがっかりしています。
部屋にお母さんが来ると、チルチルとミチルは母親のもとへ走って行き強く抱きしめ、旅の事を夢中で話しました。
そこに老婆がやってきます。
チルチルは青い鳥を探せなかったことを謝りましたが、
老婆はチルチルが前から飼っていた鳩を指差し欲しいと言います。
その鳩はまったく青くはありません。
しかしよく見ると旅に出る前よりも鳩はずっと青くなっていたのです。
チルチルはその青い鳥を老婆に差し出し、そのおかげで病気の女の子はすっかり元気になりました。