クリスマス・イヴの夜。
クララの家にはたくさんの人が集まり、楽しそうに踊っています。
そこにおもちゃ作りが上手なドロッセルマイヤーおじさんが来て、
子どもたち一人ひとりにクリスマスプレゼントをくれました。
クララのお兄さんのフリッツは木できた剣をもらいました。
アンはきらきらの羽が付いたかわいいお人形、ベンはぜんまい仕掛けのネズミのおもちゃ。クララがプレゼントを開けると、そこにはくるみ割り人形が入っていました。

彼女はこの人形をとっても気に入りますが、それを見たフリッツが変な人形だと取り上げてきました。そして無理矢理、人形の口にくるみを入れ乱暴に扱うと、くるみ割り人形の顎は壊れてしまいました。
それを見たドロッセルマイヤーおじさんは、「明日、直してあげるからね。今夜は遅いから寝なさい」とクララに優しく言うと、人形の顎をハンカチでしばってくれました。
元気のなくなったクララは、くるみ割り人形にキスをして、クリスマスツリーの下に寝かせ、寝室へ向かいました。

夜中、クララはくるみ割り人形が気になり、
誰もいないリビングに行き、人形を抱きながら眠り込んでしまいました。
12時を知らせる時計の音で、クララははっと目が覚めました。
すると目の前のクリスマスツリーがぐんぐんと大きくなっていくではありませんか。
クララが驚いて周りを見渡すと、くるみ割り人形や他のおもちゃたちが
クララと同じくらいの大きさになっていました。
そしてなんと、リビングの向こう側から、冠をつけたネズミの王と大群がこちらへ向かって来るのが見えました。

くるみ割り人形は木の剣を抜いて戦いに挑みます。
おもちゃの兵隊たちも一緒に戦いますが、ネズミの王の金属の剣にはかないません。クララはとっさにスリッパの片方を脱いでネズミの王へ力いっぱい投げつけました。
スリッパはネズミの王の頭に辺り、王はバタンと倒れました。
すると不思議なことに、くるみ割り人形は人間の王子になったのです。

王子はネズミの王に魔法をかけられ、くるみ割り人形にされていたとのことです。
王子はクララの頭に、ネズミの王がつけていた冠をのせると外にあるソリに乗せ、お菓子の国へ連れて行ってくれたのです。
お菓子の国に着いたクララは、きらきらの羽の付いた金平糖の精に歓迎されます。
お城の広間ではパーティーが開かれました。
チョコレートの精はスペインの踊り、コーヒーの精はアラビアの踊り、
お茶の精は中国の踊り。最後は王子と金平糖の精が踊ると部屋中に七色の光が溢れました。

そろそろパーティーも終わりです。
クララは歓迎してくれたお菓子たちに感謝をし、別れを告げます。

気がつくとクララは家のリビングにいました。
今日はクリスマスの朝。クララはあたたかい自分のベッドで目を覚ましました。
頭の冠はありません。
でも、枕元にはくるみ割り人形がありました。
壊れた顎はすっかり直っています。
クララはくるみ割り人形をぎゅっと抱きしめました。